さまざまなストレスを受ける現代人。特に仕事で受けるストレスは強く、その仕事のストレスによって体を壊してしまう人が増えているのが問題になっています。仕事上のストレスで多いのは人間関係によるものです。上司からのパワハラ、同僚や部下とのあつれき、取引先の人とのいざこざなど、人間関係に悩む人は多いです。
また、近年では、どこも人手不足のため、自分の処理能力を超える業務を抱えることも多く、過労によるストレスも問題になってきています。仕事上の人間関係によるストレスや過労によるストレスは、会社側に問題があることも多いです。組織体制、業務管理など、ストレスを軽減していく上で見直すべきことは多いはず。しかし、現実には、従業員のストレスがどの程度なのか把握されておらず、ストレスで体調を崩した段階で初めて問題が発覚することも多く、対策が後手後手に回っているのが現状です。
そこで、近年、従業員が受けているストレスを把握するため、厚生労働省の主導によりストレスチェックという新たな制度が導入されました。このストレスチェックは、５０人以上の従業員を抱える中規模以上の事業所に対して、実施が義務づけられています。ストレスチェックでは、すべての従業員に対して、ストレスを把握するための設問が記載された、質問表が配布されます。質問表は外部の医療関係者によって回収され、会社は事前に確認することはできません。
質問表の回答内容に応じて個々の従業員のストレス状態が診断されます。ここで、かなり強いストレスを受けているとされた人は要注意。速やかに医師との面談が実施され、今後ストレスを軽減するためのさまざまなサポートが行われます。